遺産分割協議のことで、お客様から弊社にお問い合わせのあるよくある質問をまとめました。
遺産分割協議とは、相続人を確定させ、相続財産の調査が終わった後の遺産の分け方を決める協議のことです。
一般的に、相続税の申告を行う場合には、遺産分割協議書が必要になるため、相続税の申告期限（相続開始から10ヶ月以内）に間に合うように進める必要があります。
遺産分割協議の成立には、相続人全員の合意が必要で、1人でも欠けている場合は無効になります。
また、遺産分割協議が成立したら、その協議の内容を一方的に取り消したり、変更したりすることはできません。
協議を行う際は、相続人全員が一ヶ所に集まって話し合う必要はなく、遠方に住んでいる相続人がいる場合には、電話などで連絡し合いながら協議を進めることができます。
目次
遺産分割協議に参加しない相続人がいる場合はどうしたら良いですか？
相続人を1人でも欠いた遺産分割協議は無効です
遺産分割協議は、相続人全員で行わなければなりません。
そのため、遺産分割協議に出ようとしない相続人がいたとしても、まずは、その相続人に遺産分割協議に参加するように働きかける必要があります。
それでもその相続人が遺産分割協議に参加しない場合は、調停によって解決を図ることになります。これは、遺産分割がこじれてしまった場合と同じです。
調停を申し立てても、その相続人が対応してくれない場合は、裁判所に審判を申し立てる必要があります。
遺産分割協議が無事終わったのに後から新たに相続人が現れたらどうすれば良いですか？
相続人全員が参加しない遺産分割協議は無効です
後から相続人が現れるケースとして考えられるのは、例えば、認知された子の存在です。
このケースのように認知された子の存在に気づかずに遺産分割協議を終わらせた場合、その遺産分割協議は無効となります（遺産分割協議をやり直す必要があります）。
遺産分割協議の時点では、認知されていなかった子が、その後本人の請求によって認知が認められるケースがあります。
また、遺言により認知された相続人が現れるケースもあります。
これらの場合、遺産分割協議のやり直しはしないで、相続分に応じた額の支払いをすれば良いことになっています。
遺産分割協議が終わった後に新たな財産が見つかったらどうすれば良いですか？
一度有効に成立した遺産分割協議をやり直すことはできません。新たな財産が見つかった場合はその新たな財産について遺産分割協議を行うことになります
遺言または遺産分割協議書に、「新たな財産が見つかった場合にはすべて〇〇が取得する」とか「その他一切の財産を〇〇が取得する」などといった記載があれば、遺言に従って〇〇さんが取得することになります。
ただし、このような決め事がない遺言なら、再度、相続人全員が遺産分割協議を行う必要があります。
この場合は、すでに分割した相続財産についてはそのままの分け方で、新たに見つかった財産のみ分割方法を決めることになります。
遺産分割協議が終わった後に遺言書が見つかったらどうすれば良いですか？
故人の遺志（遺言）は最大限に尊重されるべきで、法定相続分よりも優先されます
遺産分割協議が終わった後に遺言書が見つかった時、もし遺産分割協議と遺言の内容が異なる場合は遺産分割協議の内容は無効となり、協議をやり直さなければなりません。
ただし、相続人全員の合意があれば遺言と異なる遺産分割を行うことはできます。
相続人のうち一人でも遺言どおりの分割を希望した場合には、遺言どおりに遺産分割することになります。
お墓や仏壇などの祭祀財産を相続したら、その分他の相続人に金銭を支払う必要がありますか？
祭祀財産を相続しても、他の相続人に金銭を支払う必要はありません
民法では祭祀財産（さいしざいさん）は、特定の者（1人）に承継させることになっていて、通常の相続財産とは分けて考えることになっています。
そのため、祭祀財産は遺産分割の対象にはなりません。
祭祀財産を承継しても、その分を他の相続人よりも減らされることはありませんし、逆に今後支出が見込まれる祭祀費用の分を他の相続人よりも多く相続する権利もありません。
ただし、他の相続人が合意すれば、祭祀主宰者の事情を考えて、祭祀財産を承継した人の相続分を多くする調整をしても問題はありません。
遺産分割協議について、ご不明な点がございましたら、私たち静岡相続手続きサポートセンターにお問い合わせください。
