遺産分割協議とは
税理士・行政書士 大長正司
被相続人(亡くなった方)に相続人が複数いる場合、遺産を分ける必要があります。この遺産を分けることを遺産分割といいます。
遺産分割の方法についてはこちら👇をご覧下さい。
遺産分割の方法と寄与分・特別受益について
遺言書が存在し、その遺言書に相続財産の分け方に関する記載がある場合には、原則としてその遺言書の内容に従いますが、遺言書がない場合には相続人全員で話し合いを行って分割方法を決めなければなりません。
この話し合いのことを遺産分割協議といいます。
遺言書によっては、全ての財産について分割方法が指定されていない場合もあります。このような時にも遺産分割協議を行う必要があります。
税理士・行政書士 大長正司
遺産分割協議の方法
税理士・行政書士 大長正司
遺産分割協議の参加者
遺産分割協議には原則があります。それは、相続人の全員が参加しなければいけないということです。さらに、遺言による包括受遺者がいる場合、その人も遺産分割協議に参加します。
相続人全員が参加しなければ遺産分割協議は無効となります。ご注意ください。
また、相続人の中に未成年者がいるときは特別代理人の選任が必要になります。
例えば、亡くなった方に妻と子ども(未成年者)がいる場合、相続人はこの妻と子どもになります。
このケースについて、妻と子どもは利益が相反する関係にあります。そのため妻は子どもの代理人になることはできません。
未成年の子どもが2人いる時は、特別代理人の選任が2人必要です。
相続人全員の合意が必要
遺産分割協議は相続人全員で行い、協議の成立には相続人全員の合意が必要です。
税理士・行政書士 大長正司
また、相続人全員が合意した遺産分割協議は、原則後からやり直すことはできません。
遺産分割協議が成立したら、遺産分割協議書を作成しましょう。
遺産分割協議書についてはこちら👇をご覧下さい。
遺産分割協議書とは?作成方法や注意点について解説します
遺産分割協議書は、預金等の名義変更や不動産の登記、相続税の申告の際に必要です。
税理士・行政書士 大長正司
遺産分割協議まとめ
- 相続人全員が集まることができない場合には、電話やメールで行うことも可能です。
- 法定相続分と異なる分配方法や金額等を決めることもできます。
- 仮に行方不明者や未成年者、認知症になった人がいた場合にも関与が必要です。→この場合には、不在者財産管理人、親権者または特別代理人、成年後見人等が本人に代わって協議に参加します。
- 相続人のうち1人でも遺産分割協議に不参加の人がいる場合には、その遺産分割協議は無効となります。
- 協議の結果を書面(遺産分割協議書)に残すことが大切です。遺産分割協議書はその後の様々な相続手続きで必要になります。