相続税とは?かかるの、かからないの?仕組みや特徴についてわかりやすく解説

相続税とはどんな税金?

相続税は、遺産総額が大きいほど税負担は重くなることが特徴の一つです。

ある程度財産があって相続税について心配な方は早めの対策が必要になります。

相続税とはどんな税金なのか

一般的にある人が亡くなると、その人が所有していた財産は、配偶者や子供などに引き継がれます(相続)。

相続税とは、このような財産の移転に伴って課税される税金のことをいいます。

また、相続だけではなく遺贈や死因贈与にも相続税がかかってきます。

遺贈とは?
遺贈とは、遺言である人に財産を与えることです。
死因贈与とは?
死因贈与とは、例えば「私が死んだら〇〇をあげましょう」というような贈与契約のことをいいます。

これらの遺贈も死因贈与も、相続と同じように財産の移転が起こるため、相続税の課税対象になります。

なぜ?自分の財産を家族に残すと税金がかかってしまうのでしょうか。

それは、たまたま親が資産家だったおかげで、苦労することなく多額の遺産をもらえる人と遺産をもらえない人がいることは不平等ですよね。

そのため、富の再分配を目的に、多額の遺産をもらった人からは相続税を徴収しようという制度になっています。

相続税の特徴

相続税にはいくつかの特徴がありますが、主なものとして以下の特徴が挙げられます。

相続税の代表的な特徴

  • 超過累進税率:遺産総額が大きいほど税負担は重くなります。
  • 大きな基礎控除額:遺産の総額が基礎控除以下なら相続税はかかりません。
  • 配偶者の税額軽減:配偶者が相続した遺産(課税対象)が1億6千万円まで、または配偶者の法定相続分までなら相続税はかかりません。
  • 自宅敷地の評価軽減:自宅の敷地は大幅に評価額が軽減されます。

相続税の基礎控除額について

ご説明したように、相続税を納める(可能性がある)のは相続や贈与によって財産をもらった人です。

ただし、すべての人が相続税を納めるかというと実際はそうではありません。

それは、相続税の特徴の一つである「大きな基礎控除」があるからです。

相続税の基礎控除額

基礎控除額の計算方法
3,000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円
5人 6,000万円

相続税は、遺産総額からこの基礎控除額を差しい引くことができ、基礎控除額を超える遺産がある場合のみ相続税が発生するのです。

例えば、法定相続人が配偶者と子供3人の場合は、基礎控除額は5,400万円になります。

このケースの場合、遺産総額が5,400万円以下であれば相続税はかかりません。

自宅敷地の評価の軽減について

いくら基礎控除があるからといっても、例えば、首都圏に住んでいる方の場合、心配になる方もいると思います。

首都圏は一般的にに地価が高いため、財産が自宅と預金程度という方でも、基礎控除額を上回ってしまいそうですよね。

自宅は残された家族の生活の基盤となる大切な財産です。

そのため、自宅などの敷地の評価については、一定の面積まで80%引き、または50%引きで評価できる制度があります(「小規模宅地等の特例」)

自宅の敷地の場合、敷地面積の330㎡までの部分について80%引きで計算することが可能です。

例えば、夫婦と子供3人の家庭で夫が亡くなって、相続税評価額が3,500万円、50坪(約165㎡)の自宅を相続する場合…

自宅敷地の評価額は700万円(80%引き)になります。

このケースの場合、他に4,500万円程度の財産があったとしても基礎控除額(5,400万円)を下回るため相続税はかからないことになります。

国税庁の調査(平成29年中に亡くなった方)によると、実際に相続税がかかった方の割合は、亡くなった方の約8%でした。

この数字を見ても、相続税を納めないケースが圧倒的に多いといえます。

配偶者の相続税は軽減される

先ほどご説明した「相続税の代表的な特徴」の中の配偶者の税額軽減についてもご紹介します。

配偶者の税額軽減とは、配偶者が相続した遺産の総額が1億6千万円まで、または法定相続分までは配偶者には相続税はかからない制度です。

この制度があるため、遺産総額が1億6千万円以下であれば配偶者が全額相続してしまうことで納める相続税を0にすることが可能です。

ただし、配偶者にたくさんの財産を相続させてしまうと、二次相続時の子供の負担がかなり大きくなってしまい、一次相続、二次相続を合わせた相続税額がかえって増えてしまうこともあります。

相続税の対策は、二次相続までしっかりと考慮することが大事になります。

超過累進税率について

最後に、遺産総額が基礎控除額を上回り相続税がかかってしまうケースについて、相続税の特徴をみていきます。

相続税は超過累進税率のため、遺産総額が大きくなればなるほど税負担は重くなります。

相続税額早見表の一部を抜粋(相続人が配偶者と子供3人のケース)

ここで、相続税額早見表の一部を抜粋しご紹介します。

本来、相続税の計算過程はとても複雑です。そこで、相続税額早見表を参考にすることで概算の相続税額をイメージすることが可能になります。

遺産総額(課税価格) 相続税の総額
1億円 525万円
2億円 2,435万円
3億円 5,080万円
4億円 8,310万円
5億円 1億1,925万円

配偶者の税額軽減適用前において、遺産総額が1億円の場合は相続税の総額は525万円ですが、遺産総額が2億円の場合は相続税の総額は2,435万円となります。

このように、遺産総額が2倍だから相続税額も2倍というわけではありません。

このことからも、相続税がかかりそうな方は、生前贈与などを活用した節税対策を検討することがとても大切になります。

税理士・行政書士  大長正司

相続税の節税対策や相続税についてご不明な点がございましたら、私たち静岡相続手続きサポートセンターにお問い合わせください。
 

初回無料相談受付中!

フリーダイヤル(無料)

0120-193-451

お問い合わせ

お気軽に
ご連絡
ください!

平日 9:00~18:00 メールでのご連絡は24時間受付しております。