財産をもらった人が、年間110万円の基礎控除額を超えて贈与を受けた場合(暦年課税)や相続時精算課税を選択した場合には、贈与税の申告書を提出しなければいけません。
このように、贈与税の申告を行う場合、どのような方法でどこに申告したら良いのでしょうか。
今回は、贈与税の申告や納税の仕方、期限、延納制度、罰則などについてご紹介します。
贈与税の申告期限や納付期限
贈与税の申告書は、贈与を受けた人が自分の住所地を所轄する税務署に提出します。
贈与税の申告が必要な場合としては…
- 納付税額がある場合(年間110万円基礎控除額を超えて贈与を受けた場合)
- 相続時精算課税制度を選択した場合
- 配偶者控除の適用を受ける場合
これらに該当した人が必要になります。
そして、贈与税は原則、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに現金で一括して納付しなければいけません。
期限内に申告や納付を行わなかったり、申告後に申告漏れがあったりした場合は、加算税などがかかるので注意が必要です。
贈与税の分割納付方法(贈与税の延納制度)について
贈与税は、相続税のように物納が認められていません。
ただし、納付期限までに現金で一括納付することができなければ、要件を満たすことによって延納制度を利用することができます。
延納制度を利用するためには、延納手続きは事前承認制のため、申告期限(納付期限)までに「延納申請書」を提出する方法で行います。
贈与税の延納の要件
- 贈与税額が10万円を超える
- 延納申請書を提出する
- 担保の提供がある(延納税額が50万円未満で延納期間が3年以下は不要)
- 現金一括納付が困難である
- 税務署長の許可がある
延納期間は最長5年、利子税は年0.9%(令和2年分)です。
贈与税の無申告や申告漏れなどの罰則(ペナルティー)
贈与税についても相続税などのように罰則が設けられています。
贈与税の申告が必要なのに申告書を提出しなかった(無申告)場合や、提出した申告書に申告漏れがあったため納めた贈与税額が足りなかった(過少申告)場合などには、加算税等が課されることがあります。
また、贈与があった事実を故意に隠ぺいしたり、ありもしない債務を負担したと仮装などした場合に、税務当局からその行為が悪質な行為だと認定された場合には、さらに重加算税もかかります。
贈与税の申告漏れに対する罰則
区 分 | 刑事罰 | 行政罰 | ||
過少申告 | なし | ・過少申告加算税(増差本税の10%)
・既納付額と50万円の多い方を超える部分については増差本税の15% ・自主的期限後申告(調査通知前)不適用(通知後)5% |
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無申告 | ・1年以下の懲役または50万円以下の罰金(正当な事由がない場合)
・5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(故意の申告書の不提出による脱犯) |
・無申告加算税50万円以下の部分は15%、50万円超の部分は20%
・自主的期限後申告(調査通知前)、原則、増差本税の5%(通知後)10% |
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隠蔽・仮装 | 過少申告 | 10年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金または科料 | 重加算税 | 増差本税の35%(短期連続45%) |
無申告 | 増差本税の40%(短期連続50%) |
贈与税の時効
贈与税の時効は下記のとおりです。
贈与税の時効
申告期限(原則) | 贈与を受けた年の翌年3月15日まで |
過少申告として更生できる期間 | 申告期限から6年を経過する日まで |
無申告として決定できる期間 | 申告期限から6年を経過する日まで |
隠蔽・仮装として更生・決定できる期間 | 申告期限から7年を経過する日まで |
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