資産管理会社を活用した相続税の節税対策。メリットやデメリットを税理士がご紹介

資産管理会社を利用した相続税の節税対策

資産管理会社とは、不動産や株式などの資産をたくさん所有している人がその資産を管理するために設立する会社のことで、主に富裕層の相続対策に利用されます。

なぜなら、個人で不動産を所有するよりも、資産管理会社を活用して個人の不動産を法人に移しておいた方が税制上有利に働くケースがあるからです。

それでは、これから資産管理会社を利用した相続対策についてのメリットやデメリットをみていきましょう。

メリット1 所得を分散させることで節税が可能

管理会社を設立することによって、個人で保有していた不動産を会社に移すことができます。

不動産を個人で保有していた場合に、最高税率が課税されると所得税や住民税等を合わせて50%を超えることになります。

ところが、資産管理会社が所有した場合、法人税と住民税等を合わせた実効税率は高くても約33%です。

この個人で保有した場合と会社で保有した場合の税率の差によって節税効果が生まれます。

また、個人で不動産を所有して資産管理会社に管理費を支払う方法もあります。

そして、家族を管理会社の役員や社員にすることによって、会社の所得を役員報酬や従業員給与として分散させることが可能です。

給与には、給与所得控除という経費が認められているため、この点もメリットになります。

メリット2 会社は個人よりも広く経費を計上できる

個人で不動産を所有していた場合、不動産収入を得るために直接必要なものだけが経費として認められています。

経費として認められるのは、固定資産税や修繕費、損害保険料、減価償却費、不動産の購入の際に受けた借入金の利息などです。

資産管理会社で保有すると、上記の経費以外に間接的に関係する経費も計上することができます。

例えば、役員の自家用車などの社用車や役員の自宅を社宅として経費で落とすことも可能です。

メリット3 相続税の財産評価が有利となる

資産管理会社を利用した相続税対策は、資産管理会社が不動産を所有して、オーナーは役員として資産管理会社の株式を保有するやり方が一般的です。

この相続税対策であれば、もし、オーナーが亡くなった場合には、不動産ではなく資産管理会社の株式を相続することになります。

相続税の財産評価について、基本的に株式は不動産よりも低い価格で評価されます。

不動産は、路線価または固定資産税評価額によって実態よりも低く評価されますが、資産管理会社の株式はさらに低く評価されます。

また資産管理会社は、一般的な会社(非上場会社等)とは違い、金融機関との取引も少ないため、赤字を継続してもほとんど問題にはなりません。

そして、この赤字によって資産価値をさらに下げることができるのです。

メリット4 相続や贈与の手続きが個人所有よりも簡単にできる

資産管理会社が不動産を所有している場合、相続や贈与は不動産ではなく、資産管理会社の株式を相続したり、贈与すればよく登記などの手間や費用はかかりません。
(オーナーが所有していた不動産を会社に移す場合や会社が不動産を購入する場合は、登記費用や不動産取得税がかかります。)

ところが、個人で保有していた場合は、相続が発生すると登記が必要になり登記費用がかかります。

贈与する場合は、登記費用だけでなく、不動産取得税もかかってしまいます。

 

以上、相続税対策について資産管理会社を活用した場合のメリットをご紹介しましたが、逆にデメリットもあります。

それでは、次にそのデメリットをご説明します。

デメリット1 会社の運営コストや手間がかかる

資産管理会社を設立すると、会社を運営するのに必要な様々なコストや手間がかかります。

まず会社を設立する際には、会社の設立登記手続きに関連する費用(登録免許税、公証人の認証手数料など)がかかります。

不動産をオーナーから会社に移転する場合は、不動産の移転登記に関する費用や手続きの手間がかかります。

また、日常的な収支の管理や帳簿の記帳作業、社会保険の加入手続きや社会保険料の支払い、役員報酬や従業員給与などの支払事務や年末調整などの事務や手続きが必要です。

さらに、会社の決算業務や税金の申告業務はかなり手間のかかる作業です。

他にも、株主総会や取締役会を開催し、議事録を作成するなどといったことも必要です。

このように、かかる運営コストや手間はたくさんあります。

デメリット2 専門家の関与が不可欠(士業などへの報酬がかかる)

デメリット1でご説明しましたが、資産管理会社の設立から運営全般をオーナー1人で行うことはとても困難なことです。

また、管理会社とオーナー間の不動産の売買価格や賃料の設定、管理費の算定、決算業務、法人税等の申告業務、適正な役員報酬、節税対策など税理士の助言がなければ、正しい運営はほぼ不可能といえます。

また、社会保険の加入手続きや算定基礎届の提出など場合によっては、社会保険労務士の関与が必要になることもあります。

 

以上、資産管理会社を活用した相続税対策には、会社の運営コストや手間がかかることや、専門家にアドバイスを受けなければ運営が困難になる可能性があるといったデメリットがあります。

 

資産管理会社を活用した相続税対策などでお困りの方は、私たち静岡相続手続きサポートセンターにお問い合わせください。

 

初回無料相談受付中!

フリーダイヤル(無料)

0120-193-451

お問い合わせ

お気軽に
ご連絡
ください!

平日 9:00~18:00 メールでのご連絡は24時間受付しております。