遺産分割協議が不調、まとまらないときの分割方法(調停・審判分割)について解説。

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遺産分割協議がまとまらない場合

税理士・行政書士  大長正司

遺産分割協議を重ねても意見がまとまらなかったり、相続人同士が対立し、一部の相続人が協議に参加しなくなったりすることもあります。このような場合の分割方法についてご案内します。

遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。

遺産分割協議についてはこちら👇をご覧下さい。

遺産分割協議について遺産分割協議について

 

遺産の分割について、相続人同士の話し合いで解決し分割できれば良いですが、当事者間のみでは協議がまとまらないケースもあります。

このように、どうしても遺産分割協議が完了しない時は、家庭裁判所に申し立て、調停や審判によって遺産分割を行う方法があります。

一般的に、最初に調停による解決を図り、調停が不調に終わった場合には審判手続きに移行します。

補足

・調停による分割→「調停分割」といいます。

「調停分割」とは、調停委員会の斡旋のもと、どのような遺産がありその遺産を相続人同士でどのように分けるかについて、話し合いによる解決を図る分割方法のことをいいます。

 

・審判による分割→「審判分割」といいます。

「審判分割」とは、家庭裁判所が財産や相続人等の一切の事情を考慮して、合理的な裁量によって分割方法を決定し審判を下す方法のことをいいます。

税理士・行政書士  大長正司

裁判所の審判に不服がある場合は、審判書を受け取ってから2週間以内に高等裁判所に不服申立することができます。

調停分割の手続きについて

誰が行う手続きか

遺産分割調停は、共同相続人や包括受遺者、相続分譲受人が1人でも複数でも行うことができます。

申立書の提出先(手続き先)

相手方のうち1人の住所地を管轄する家庭裁判所、または、当事者が合意して定める家庭裁判所に申立書をすみやかに提出します。

費用として、遺産分割調停申立書に貼る収入印紙代1,200円や連絡用の切手代が2,000円程度かかります。

ただし、弁護士を立てる必要はないため、費用はそれほどかかりません。

調停申し立てに必要な書類

申し立てに必要な書類は以下のとおりです。

  • 遺産分割調停申立書
  • 戸籍謄本(亡くなった方の出生から死亡までのもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本、住民票
  • 遺産に関する各種証明書(不動産登記事項証明書や固定資産税評価証明書、預貯金の通帳の写しか残高証明書等)

遺産分割調停の流れ

  • STEP.1
    調停の申し立て
    相手方の相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に、遺産分割調停申立書に必要書類と費用を添付して提出し、調停を申し立てます。

    →1ヶ月後に家庭裁判所から調停期日の通知が届きます。

  • STEP.2
    調停当日
    調停は非公開で行われるもので、家庭裁判所の裁判官と一般市民から選ばれた2人以上の調停委員からなる調停委員会の立会のもとに行われます。

    調停委員は、申立人や相手方の相続人と交互に話し合いを行い、適切な助言を与えます。

  • STEP.3
    調停の成立
    話し合いの結果、合意できた場合には裁判所の書記官が調停調書をまとめます。この調停調書に従って遺産分割を行うことになります。

    仮に調停が不成立の場合には、審判手続きに移ります。

遺産分割調停は、当事者同士のプライバシーに配慮し非公開で行われます。

審判分割の手続きについて

税理士・行政書士  大長正司

遺産分割調停が成立しなかった場合は、自動的に遺産分割審判に移行します。

遺産分割審判とは

遺産分割審判は、調停から自動的に移行するため遺産分割審判の申し立てを行う必要はありません。

家庭裁判所の裁判官が事実の調査や証拠を調べ、財産の種類や各相続人の事情等も考慮したうえで分割方法について審判を下します。

遺産分割審判は、調停のように当事者間の話し合いによることや合意等ではありません。

裁判官の判断は遺産分割協議書よりも強い効力があり、強制的に遺産分割を行うことになります。

遺産分割調停と同様に非公開で行われます。

申立書の提出先(手続き先)

基本的に、遺産分割調停と同じです。かかる費用も調停と同様です。

遺産分割審判に対する不服申立てについて

審判に対して不服がある時は、審判の当事者は高等裁判所に大して即時抗告の申し立てを行うことができます。

即時抗告には期限があるのでご注意下さい。審判の告知を受けた日から2週間以内に抗告状を家庭裁判所へ提出する必要があります。