贈与税の課税方式には、「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」の2つの制度があります。
それぞれメリットやデメリットも含めて、基本的な仕組みについて理解しておかなければ、将来納める可能性のある税金に差がでるおそれがあります。
暦年課税制度を選択するか、相続時精算課税制度を選択するかどうかは、実行前に十分な検討を行い慎重に判断しましょう。
今回は、これら暦年課税制度と相続時精算課税制度の要件や税率、相続税の計算との関係、申告手続き方法など比較しながら、分かりやすい表にしてまとめました。
暦年課税制度と相続時精算課税制度の比較
(スマートフォンの方は、↓下記の表を左右にスライドさせてご覧ください。)
暦年課税制度 | 相続時精算課税制度 | |
---|---|---|
贈与者の条件 | なし | その年の1月1日に60歳以上の父母、祖父母 |
受贈者の条件 | なし | その年の1月1日に20歳以上の子、孫(令和4年4月1日より18歳以上の子、孫) |
適用財産の種類 | 問わない | 問わない |
控除額 | 毎年110万円 | 2,500万円まで |
税率 | 10%~55% 税率に応じた控除額あり(贈与税の速算表より) | 2,500万円を超えた部分に対して一律20% |
贈与の回数 | 制限なし | 制限なし |
贈与税の納付 | 贈与時に納付して完了 | 贈与時に納付し、相続時に精算する |
相続税計算との関係 | 相続財産から切り離される(相続開始3年以内の贈与は相続財産に加算される) | 贈与時の課税価格が相続財産に加算される |
申告手続き | 贈与額が基礎控除の110万円を超えた場合に翌年申告する。 | 最初に適用を受ける申告時に選択届出書を提出する。その後贈与があった場合に翌年申告する。 |
選択・適用 | いつでも相続時精算課税制度を選択できる | 一度選択したら暦年課税制度に戻すことはできない |