よくみられる相続の問題の一つとして、相続人(子供)同士仲が悪い、兄弟姉妹間の仲が悪いため、相続手続きや遺産分割協議がスムーズにすすまないことが挙げられます。
今回は、相続人同士の仲が悪い場合に起こる問題とその対策についてご紹介します。
相続人(子供達)同士の仲が悪いと起こる問題
相続人同士の仲が悪いからといって、仲の悪い兄弟姉妹をはずして遺産分割協議を行うことはできません。
そのため、遺産分割が成立しない可能性があります。これが大きな問題点です。
遺産分割協議は相続人全員の参加が必要で、相続人全員が参加しない遺産分割協議は無効となってしまうからです。
(順に合意をとっていく持回り形式も可能ですが、相続人全員の合意は必須の要件となります。)
子供同士仲が悪く合意が得られない場合、遺産分割は成立しません。
そうなると、例えば不動産は故人名義のままの状態となり、売却や建て替え等行うことができなくなります。
遺産分割協議について知りたい情報まとめはこちらよりご確認ください。
遺産分割協議について知りたい情報。よくある質問まとめ(Q&A)また、故人名義の預貯金など名義変更ができないため、故人の預貯金を払い戻すこともできないのです。
ただし、2019年7月1日より一定額について相続預金の払戻しができる制度が設けらたため、遺産分割が成立していなくても当面の支払いについて故人の預貯金が使えることになりました。
相続預金払戻し制度について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
亡くなった後の銀行口座(預貯金口座)の相続手続きについて。相続預金払戻し制度も解説さらに、相続税の申告においても不利になってしまうことがあります。
故人の相続財産が相続税の基礎控除額〈3,000万円+(600万円×法定相続人の数)〉を超えている場合、相続税の申告が必要になります。
たとえ相続税の申告期限内に遺産分割協議が完了していなくても、相続税の申告期限の延長は基本的に認められません。
そのため、未分割のままの状態で申告しなければならないのです。
遺産分割が成立しないまま申告すると、相続税の配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例などの適用を受けることができず、その分高額な相続税を納付することになる可能性があります。
相続人同士の仲が悪い場合の相続発生「前」の対策
兄弟姉妹の仲が少し悪い程度なら、まず最初は家族だけ、できるだけ相続人だけで話し合いましょう。
だだし、兄弟姉妹が二人だけの場合で相続人だけでは話しづらいなら、親しい人に加わってもらうのも一つの方法です。
争族につながる兄弟姉妹間の不仲の原因は、経験上コミュニケーション不足によるところが大きいため、まずは落ち着いて話し合ってみましょう。
兄弟姉妹の仲がかなり悪くなってしまっている場合は、遺言書を作成することをおすすめします。
遺言書の作成でお困りの方は、静岡相続手続きサポートセンターにお問い合わせください。
相続人同士の仲が悪い場合の相続発生「後」の対策
相続人同士の話し合いが困難な場合は、弁護士に依頼してすすめることをおすすめします。
この時、相続人の配偶者や親戚などに入ってもらう方法もありますが、この場合いろんな意見が飛び交い、かえって複雑になり揉めるケースがみられるので、最初から争族を得意とする弁護士などの専門家に入ってもらうのが良いでしょう。
弁護士に頼んでも合意できない場合、家庭裁判所の家事手続案内室で手続きの方法を相談してみてください。
その上で遺産分割調停を申し立てることになります。
家庭裁判所は、出てこない相続人に対して調停の期日を定めた呼出状を送ってくれます。
この時、正当な理由もなくその相続人が呼び出しに応じない時は、5万円以下の過料が科せられることがあります。
最終的に調停が不調に終わった場合、審判によって家庭裁判所に決めてもらうことになります。
静岡相続手続きサポートセンターは、相続の争い(争族)等の問題を解決することを得意としている弁護士をご紹介することができます。
争族問題のことや相続手続き、相続税の申告等でお困りの方は、静岡相続手続きサポートセンターにお問い合わせください。