万が一相続が発生すると、相続手続き等の過程でトラブルが発生することがみられます。
相続トラブルは相続財産の多少にかかわらず起こりますし、円満だった家族でさえも相続争いが起こる可能性があります。
でも、この相続トラブルの発生をできるだけ抑えるための対策があります。
それではこれから、相続争い(争族)を避けるためのコツにについてご紹介します。
コツ1 事前に家族会議を行い相続の方向性を明確にしておく
いざ相続が発生すると、仲の良かった家族でも相続手続きの過程の中で遺産分割をめぐるトラブルが起こることがみられます。
このトラブルを防ぐためには、相続が発生する前(事前)に家族会議で遺産の分け方などの相続の方向性を決めておくことが効果的です。
一般的に、遺産を少しでも多く相続したいという考え方はもちろんあります。
でも、最近のお客様の傾向としては、まず家族間で揉めないようしたいという気持ちを持っている方が多くいらっしゃると感じます。
ただし、相続の話はデリケートな問題のため、子供が事前に話をしておきたいと思っても、その親は相続の話を嫌うケースがよくみられます。
「自分が亡くなった後の話なんて知らない」とか「相続の話は縁起が悪いからやめてほしい」などの理由で話をしたがらないのです。
このような理由で、生前に相続の話が全くできず、トラブルにつながってしまうのです。
子供が親に働きかけて、相続についての家族会議を行いたいと切り出すことは、とても勇気がいります。
弊社にも、生前の相続対策の相談のお問い合わせが年間で何件もありますが、その中には親子間のやりとりが上手く進まずに対策を行うことができなくなってしまったケースもありました。
「親が相続の話を嫌がるので、相続の対策(準備)ができないから、話し合いに参加するように親を説得してほしい」というご依頼もあります。
でも、このようなご依頼にはお応えすることは残念ながら難しいです。
相続について生前に家族会議を行うことはとても大切なことです。残された家族が困らないように、親御さんから歩み寄ることも必要なことです。
もし、生前に家族会議を行っていたら、相続トラブルを防ぐことができ、また相続税が発生するケースについて、相続税を下げたり場合によっては0にすることができたといった場合があります。
相続の準備をしっかり行っていた被相続人(親)は、相続人(遺族)から感謝され、尊敬の念を持たれます。
これは、相続手続きや相続税申告を行う時に感じることです。
コツ2 相続人の間での隠し事は避ける
相続トラブルを発生させないための2つ目のコツは、相続人間で隠し事は極力しないこと。
考えられるケースとしては、相続税対策等で贈与を行う際に、他の相続人に秘密で生前贈与してしまうことです。
また、他の相続人には隠して、特定の相続人を生命保険の受取人に指定するケースもみられます。
これらは、相続発生後の相続手続きの中で発覚する可能性が高く、やはりトラブルに繋がってしまうことがあります。
特に発覚しやすいのは、相続税の申告を行う必要がある方のケースです。
それは、相続が起こる前3年以内に行われた生前贈与や、生命保険の受取人とその金額をすべて相続税の申告書に記入しなければいけないからです。
相続トラブルを発生させないために、相続人間で生前贈与や生命保険の存在を明らかにしておきましょう。
基本的に、特定の相続人に生前贈与する際には、コツ1でご紹介した家族会議の場において話し合っておくことをおすすめします。
もしかしたら、この時の家族会議の場では少しもめることもあるかもしれません。
でも、この場合親(被相続人)の考え方を事前に聞いていた分、問題を解決しやすくなるとも言えます。
このように、相続人間の秘密はできるだけしないようにして、事前に話し合いながら対策・準備していく必要があります。
コツ3 相続対策、相続税のシミュレーションは税理士に依頼する
被相続人が亡くなった後…
- 遺産の総額はどれくらいあるか
- どの遺産を誰に相続させるか
- 相続税はどれくらいかかるか
- 当面の生活資金は確保できるか
相続の専門家である税理士に依頼すれば、以上の4点を中心に、税理士が現状の資産状況や問題点などを分析してくれます。
そして、これらをしっかりと把握して、どんな対策が一番おすすめかを提案してくれます。
現時点の預金や株式、投資信託などの金融資産を把握することは、さほど難しいことではありませんが、不動産の評価額を正しく計算することは一般的に難しいことです。
不動産の評価は、専門家である税理士でも苦労することがあるからです。
現状の遺産の総額を把握できたら、次は誰に何を相続させるかを検討する必要があります。
この時大切なのは、相続税が発生する場合、遺産の分け方によっては相続税が何倍にも増えてしまうことがあるということを知っておくことです。
そのため、気持ちを優先することも大切ですが、税理士からこのケースの場合は相続税はいくらかかる、また、こんなケースの時は相続税はこれくらいかかるというように、相続税の試算(シミュレーション)を依頼しましょう。
このように、税理士に相続対策や相続税のシミュレーションを依頼することによって、コツ1でご案内した家族会議を行う時に、さらに具体的に話し合うことが可能になります。
生前に、税理士に相続対策を依頼することは、相続発生後のトラブルを防ぐための大きなコツの一つです。
生前贈与などの相続対策や相続税のシミュレーション、遺言書の作成などのご依頼は、私たち静岡相続手続きサポートセンターにお任せください。