相続の問題解決!相続人の中に行方不明者や音信不通の人がいる場合の対策

相続人に音信不通の人がいる場合の対策

お客様から弊社に「相続人の中に行方不明者や音信不通の人がいるのですがどうしたらよいでしょうか?」というご質問をいただくことがあります。

今回は、このご質問のようなことが起こった時の対策についてご案内します。

相続人に行方不明者や音信不通の人がいる場合の問題点

大きな問題は、相続人の中に音信不通の人がいると「遺産分割が成立しない」ということです。

遺産分割が成立しなければ、銀行の預金の名義を変更することができません。そうなると、銀行の預金を下ろすことができなくなります。

また、相続財産の中に不動産があれば、もちろん不動産の名義変更をすることもできなくなります。

このように相続財産は被相続人(亡くなった人)の名義のままの状態が続くことになってしまいます。

例えば、相続税が発生するほどの財産があり被相続人が生前から納税資金として貯蓄していた預金があっても、相続人全員の実印が揃わないためこの納税資金を引き出すことができません。

そうなると、相続人が自分自身で納税資金を用意しないといけなくなります。

不動産が名義変更できなければ、被相続人の名義のまま相続人が固定資産税等を納付しなければなりませんし、その不動産を売却したくてもすることができなくなります。

もう一つの問題として遺産分割が完了しなければ、相続税における有利な制度である「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」の適用をうけることができず、未分割のまま申告し高額な相続税を納付しなければならない可能性があります。

それでは次に、音信不通の人がいる場合の対策について相続発生「前」と相続発生「後」に分けてご説明します。

相続人に音信不通の人がいる場合の相続発生「前」の対策

運よく音信不通の人と連絡がとれれば良いのですが、上手く進むとは限りません。

相続発生前の対策の対策として最も良いのは、「遺言書を作成する」ことです。

遺言書には、主に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言という形式があります。

遺言書の種類について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

遺言書の種類 見本遺言書(普通方式)の種類について。自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言を比較

これらの遺言書の中でも安全性の高さやメリット、手続きの負担等など考慮すると、公正証書遺言の方式で作成することをおすすめします。

公正証書遺言について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

公正証書遺言公正証書遺言は安全で確実。手続きの流れや費用、メリット・デメリットを解説します

また、令和2年7月10日より始まった「自筆証書遺言書保管制度」によって従来の自筆証書遺言よりも安全・確実に保管できるようになりました。

自筆証書遺言は公正証書遺言よりも費用はかかりません。ただし、遺言内容によっては形式不備となり無効になってしまうリスクがあります。

自筆証書遺言書保管制度について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

自筆証書遺言書保管制度について自筆証書遺言書保管制度とは?法務局による保管制度の手続きの流れや必要書類、料金について

相続人に行方不明者がいる場合の相続発生「後」の対策

相続が発生した後に、相続人の中に行方不明者や音信不通の人がいると手続きは面倒になります。

まず、家庭裁判所に「不在者財産管理人の選任」を申し立て、また「財産管理人の権限外行為の許可審判」を申し立て行方不明者の財産を財産管理人に管理してもらう方法をとることができます。

でもこの方法をとっても、不明者の法定相続分は手付かずの状態のままがずっと続くので根本的な解決につながらない場合が多いです。

また、財産管理人は弁護士等が就くことが一般的なので、報酬がかかってしまいます。

他にも、失踪宣告を行う方法もあります。

ただし普通失踪の場合は、失踪から7年経過した時に死亡したものとみなされ相続が開始されるので、解決するまでにはかなり時間がかかってしまう場合があります。

 

相続手続きや相続税の申告、遺言書の作成などの相続対策についてお困りの方は、静岡相続手続きサポートセンターにお問い合わせください。

 

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