相続税・贈与税の申告内容を修正したいときはどうする?修正申告や更正の請求について

相続税・贈与税の修正申告、更正の請求

相続税や贈与税の申告を行ったあとに、計算を間違えていた場合や特例を使わずに税金を多く納付していたなどの場合には、「修正申告」を行って不足分を納付したり、または、「更正の請求」を行って納め過ぎた税金の還付を受けることができます。

今回は、この「修正申告」や「更正の請求」についてご案内します。

過少申告なら修正申告を行う

相続税でも、贈与税でもどちらでも税務署に申告書を提出した後に、納付税額が少ないことに気づいたら、再度正しく修正した申告書を提出することができます。

この申告のことを「修正申告」といいます。納付税額が「少なかった」場合というのがポイントです。

考えられるケースとしては、下記の例が考えられます。

  • 相続税の申告後に遺産分割が確定し、納税額が増えた
  • 遺産の総額や相続人などに変動があり、納税額が増えた
  • 申告していない財産が新たに出てきた
  • 相続財産を過小評価していた
  • 計算ミスで納税額が少なかった

修正申告の期限は特にありませんが、もし税務署に指摘されてから申告した場合は、ペナルティが重くなりますのでご注意ください。

税務調査前に気づいた間違いを自分から修正した場合は、加算税は免除されます。

修正申告によって新たに増えた税額は、申告したその日に納付する必要があります。
(修正申告書は税務署に準備されています。)

修正申告は、相続税や贈与税を申告した税務署に修正申告書を提出して行いますが、相続税の場合、相続人全員について修正前と修正後の金額やその差額を記載しなければなりません。

それは、相続税の計算方法の関係から、遺産の総額が変わることで相続人全員の相続税額が変わる可能性があるからです。

申告および納付のペナルティについて

ペナルティには加算税と延滞税があります。

詳細は次の表をご確認ください。

種   類 具体例 加算税率など
加算税 過少申告加算税 期限内には申告したが、自分で申告漏れに気づき、税務調査前に自ら修正申告を行った場合 なし
税務調査後に修正申告を行った場合 追加納付した税額の10%(納付税額により加算がある)
無申告加算税 申告期限後に自ら申告した場合 納付した税額の5%
税務調査の後に申告した場合 納付した税額の15%(納付税額により加算がある)
重加算税 期限内に申告を行ったが、財産を隠蔽したり仮装したりした場合 追加納付した税額の35%
期限内に申告せずに、財産を隠蔽したり仮装したりした場合 追加納付した税額の40%
延滞税 納付が遅れた場合 追加納付した税額の年9%(申告期限から2ヶ月は年2.7%)

税務署の指摘を受ける前に自ら修正申告を行えば、加算税はかかりません。

がだし、自主的に申告したとしても、申告期限から遅れた日数によって延滞税がかかってきます。

過大納付した場合は更正の請求で還付を受ける

一方、財産を過大評価した場合や計算ミスによって税額を多く申告してしまった時は、申告した税務署に、更正の請求書を提出することができます。

また、相続税の申告において、配偶者の税額軽減の特例等が適用された場合なども考えられます。

「更正の請求」は、税額を「多く納め過ぎていた」というのがポイントです。

更正の請求には提出期限がありますの注意が必要です。

相続税

・法定申告期限から5年以内(平成23年12月2日以後に期限が到来する申告)

・法定申告期限から1年以内(平成23年12月1日以前に期限が到来する申告)

贈与税

・法定申告期限から6年以内(平成23年分以後の各年分の申告)

・法定申告期限から1年以内(平成22年分以前の各年分の申告)

特別な事由による調整について(相続税の申告)

相続税の申告の場合、次のような特別な事由によって、申告後に分割した相続財産の額が変わってしまうケースがあります。

この場合、修正申告や更正の手続きをすることによって、税額の調整を行うことができます。

  1. 遺産分割が申告期限後に確定し、相続人などの課税価格が変わった
  2. 相続人に移動があった
  3. 遺留分侵害額請求があった
  4. 遺言書がみつかった
  5. 遺贈の放棄があった
  6. 申告期限後3年以内に遺産分割が行われ、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減の特例が適用された
  7. 受贈財産を相続税の課税価格に移動させた
  8. 相続財産法人から財産分与があった

上記のケースでは、その事由が起こった時から4ヶ月以内に申告書や請求書を提出することによって手続きを行います。

まとめ

もし、期限内に税金を納付していなかったり、申告書の内容に誤りがあった場合は、それぞれペナルティが加算されます。

例えば、申告期限内に納付しなかったり、納付税額が不足していた場合には延滞税などがかかってきます。

また、税務署の更正や決定の処分などを受けると過少申告加算税や無申告加算税がかかります。

その他にも、財産を隠蔽したり、偽るなどして脱税した場合には重加算税が課されます。

以上のペナルティを避けるためには、やはり期限内に正しい納税をすることが大切になります。

 

相続税や贈与税の申告、修正申告、更正の請求などでお困りの方は、私たち静岡相続手続きサポートセンターにお問い合わせください。

 

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