今回の記事は、相続税の税務調査に選ばれる確率やもし相続人であるあなたが税務調査の対象として選ばれた時に、事前通知はいつ頃届くのか(事前の電話がいつ頃くるか)、また、事前通知の内容等はどのようなものかについてご案内します。
相続税の税務調査に選ばれる確率は?
相続税の税務調査は、国税庁の「相続税の調査等の状況」によると、平成30年度から令和2年度の3年間で、平均約8%の確率で行われています。
これは、相続税の申告を行うと約10人に1人は税務調査が行われているということが言えます。
相続税の申告書の作成は複雑なため、税理士に依頼せずに相続人が自分で行うと、財産の計上漏れや申告過程でのミス(相続財産の評価方法や相続税の計算方法の誤り等)が生じやすく、正しい申告がされていないケースがあるからです。
税務署側も事前にかなりの確率でそのことを把握しているので、調査に選ばれる可能性が高くなります。
相続税の税務調査の事前通知(事前の電話連絡)はいつ頃くるのか
一般的に相続税の税務調査の多い時期は、相続税の申告を行ってから1年~2年後です。
税務署の人事異動のある秋頃が多いとも言われています。
税務署側でも日々提出される多くの申告書を処理をしなければならないため、提出後すくに行われることはほぼありません。
そして、税務署の内部事情として例年7月に大きな人事異動が行われることから、人事異動完了後の8月~数ヶ月間で税務調査対象者の選定を行い、税務調査を開始して翌年の6月頃までに調査を終わらせるように動いています。
そのため、税務調査の時期は秋頃から多くなってくるわけです。
また、税務調査の選定はいつ頃まで行われるのでしょうか。
これについては、相続税の時効と関係があります。
相続税の時効は、相続税の法定申告期限から5年ですが、無申告や脱税行為があった場合など悪質なケースでは、相続税の法定申告期限から7年です。
もし、時効を過ぎて自分から相続税の申告納税を行ったとしても受け付けてもらえないため、税務調査の事前通知も行われることはないと考えられています。
相続税の税務調査の事前通知の相手方は誰?
相続税の税務調査の対象として選ばれると、基本的に税務署から事前に連絡がきます。
この時、誰に事前通知が届くのかというと、納税者や納税者から相続税の申告について税務代理を受けて税務代理権限証書を提出した税理士になります。
税理士が代理して申告している場合は、通常は税理士に連絡が入ります。
相続税の税務調査の事前通知の確認事項について
税務署からの事前通知(事前の電話)において伝えられる主な内容は以下のとおりです。
相続税の税務調査の事前連絡内容
- 質問検査等を行う税務調査(実地調査)を開始する日時
- 税務調査を行う場所
- 税務調査の目的や税目
- 税務調査の期間
- 税務調査の対象となる帳簿書類やその他の物件
- 税務調査の担当調査官の代表者の氏名 等
これらの事前に通知した内容以外でも、調査の過程で問題点等が生じた場合には、新たに調査対象が増える場合があります。
事前通知の段階では、特に具体的に何か指摘されるようなことはありません。
税務調査が行われる場所や日程を決める程度です。
もし、税理士に申告書の作成を依頼していた場合に納税者(あなた)に連絡が入った時は、日程等について即答せずに、税理士と十分打ち合わせを行った上で、後日税務署に電話すると良いでしょう。
事前連絡内容の中でも、あらかじめ特に確認しておいた方が良い項目としては、⑥の税務署の担当者についてです。
税務署または国税局のどの担当者が来るのか、また、全部で何名くるのかは確認しておくべきです。
誰が何名来るか事前に分かることによって、税務調査の心構えや事前準備についての方向性が見えることがあるからです。
税務署の担当者から電話が入っても、決して慌てずに落ち着いて一つ一つの項目を確認するようにしましょう。
また、⑤の帳簿書類やその他の物件についても、税務署から伝えられた帳簿の名称がよくわからなかったり、把握できないものがある場合には、必ず質問し何を準備しておく必要があるか確実に理解しておきましょう。
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