亡くなった方の自宅、あるいは店舗や事務所など事業用に使っていた宅地は、残された遺族の生活の基盤となる大切な財産です。
そのため、これらの宅地の価値をある面積まで80%減額はたは50%減額して評価できることになっています。
この制度を「小規模宅地等の特例」といいます。
小規模宅地等の特例について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
小規模宅地等の特例とは?土地の評価を下げて相続税を減らす方法今回は、この小規模宅地等の特例を相続開始後でも上手に活用するためのポイントをご案内します。
申告期限まで売却しないでください
配偶者以外の方が相続する場合、居住用宅地を80%減額するためには申告期限まで所有していることが要件の一つになります。
そのため、もし居住用宅地を相続した後に売却する予定があっても、申告期限(被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内)までは所有を継続することが必要です。
また、事業用宅地について80%減額の適用を受ける場合も申告期限まで所有することが要件です。
小規模宅地等の特例の適用を受ける予定の方は、申告期限まで売却しないように注意しましょう。
申告期限までに分割してください
小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、相続税の申告期限までにその宅地について遺産分割を完了させておかなければなりません。
分割が完了していなければ、この特例そのものを受けることができなくなります。
なぜなら、相続税の申告書にこの制度を受けようとする旨を記入し、遺産分割協議書などを添付しなければならないからです。
ただし、仮に特例の適用を受けずに相続税の申告を行った後、次のケースに該当するようになったら特例を受けることが可能です。
- 相続税の申告期限後3年以内に遺産分割された場合
- 相続税の申告期限後3年以内に遺産分割できない事情があり、税務署の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4ヶ月以内に遺産分割が完了した場合
①、②の場合、遺産分割完了後4ヶ月以内に更正の請求が必要になります。
小規模宅地等の特例を受けるためには、たとえ納付税額が0円であっても申告書の提出が必要になりますのご注意ください。
申告期限まで事業を継続してください
特定事業用宅地等に該当する時は、その事業を引き継ぐ親族が申告期限まで事業を継続していること、かつ宅地を所有していることが要件になります。
したがって、将来廃業する予定があるとしても少なくとも申告期限までは継続する必要があります。
小規模宅地等の特例を考慮した生前贈与の方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
相続税の節税対策。小規模宅地等の特例を考慮した生前贈与について
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